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オリジナル推理小説サイト「花布」の更新状況及び管理人の独り言。ぐだぐだです。
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 Cブロックの感想です。ネタバレしてます。一応、注意書き及びスタンスをリンクしておきます。→
 なお、抗議・苦情・叱咤激励・矢文などはBlogのコメント欄や拍手やメールフォームからどうぞ。
C01 天翔る竜と天下無双のドラゴン娘!(仮)
 最初の語りとタイトルのテンションは一致しているのに、そこからの本文の落差が激しいですね。「同じ釜のライスを食べた仲!」にププってしました。 
 チカがケイトの実家で初めて人間の彼の顔を知るというのが、彼女に取って「速星号=ケイト」であることを信じ、戦友よりも深い絆で結ばれていたように思えました。
 読んでる途中はバッドエンドを予想してました(速星号を殺処分した後に、新たなドラゴンたちに襲われる結末)が、最後に在りし日の二人の姿が出てきて悲しい話なのに爽やかな印象が残りました。こういう終わり方が奇麗で好きです。
C02 桜都狂騒劇場
 様式美ですよね、この探偵と助手の関係。探偵物大好きです。
 唯我独尊で有能だけど、万能ではない東。そこを補助する苦労人の北。どれだけ私の萌えポイントを押しまくるでしょうか?
 「何とでも言え。同じだろうが外道だろうが、俺はお前をゆるせない。俺こそが正義だ。天に愛されし俺はすべてにおいて正しく正義だ!」
 なんて青臭くて傲慢な台詞でしょ! 私も探偵役にここまで清々しい台詞を云わせたいよ……。
 南さん登場シーンで東西南北だと気づいて、最後の西さんのぶっ飛び具合い吹きました。
 最後の北の独白で締められて、二人の関係と今後が気になりました。続きはないのかな〜?
C03 時よ止まれ、汝は美しい
 SF(少し不思議)と思ったら、現実の事件だっ! と思ったら……これはどっちなんだろう? 
 健ちゃんは真面目なタイプだからマネージャーのあかりちゃんと親しくならないように、でも徐々に惹かれ合って悩むんだろうなぁ。うっかり仲良くなると相手がデッドエンドですからね。
 最後に、放火事件のことを最初の段階でちらりと触れていれば伏線になってミステリ好きとしは大満足なんですが、意図したジャンルが違う場合は聞き流してください。
C04 ほんとうの救世主
 ジャンヌ・ダルクよりある意味悲惨。皇太子妃にまで祭り上げられたけれど、父殺しの業を背負わされただけでも不幸なのに、人類全員に裏切られて火炙りって悲惨過ぎます。
 それでも運命に流され、受動的な生き方しかできなかったイリアナが唯一自分の意志を通して助けた魔王の息子と共に逝けるのは、ほんの少しだけ救いがあったような気がします(助けても助けなくても殺される結果は変わらなそうなので)。
「君を陥れる事で嘘を隠そうとするこんな世界、滅びてしまえば良いんだ。だから」
 この一文が私の気持ちも代弁してくれてるなぁと思ってたら本当に滅んだよ!
 最後の子供の「イリアナはニンゲン達じゃなくて僕らの救世主だね!」はシニカルで、なかなかパンチが効いててなんとも云えない気分になりました。
C05 ともしびの揺れる
 大量のメモの段階で、記憶障害を疑ったのですが、認知症の祖母だったのですね。見事にひっかかりました。それにしても痴呆症の家族の大変さがよく出てるというか、文章から苦労がにじみ出ていて、実際にご家族にいらっしゃったのかなと愚考しました。
 以下、私の趣味の問題なので読み飛ばしていただいても大丈夫です。視点の転換と人称が変化するのは、この話の構造上仕方がないのですが「彼女の話」の部分は三人称彼女視点でなく、一人称でも良かったような気がします。内容としてミスリードをさせる意図であるなら一人称の方がすっきりしてて読み易いと思います。
C06 あの温もりを思い出せない
 最近の中学生はませてますね。最初、高校生ぐらいかと思いました。しかし、この中学生であることが狂気を孕む一途さが生むのかもしれません。「ロミオとジュリエット」のジュリエットの年齢がシェイクスピア版で13歳(14歳目前)と若くなったのは、若さ故の激情で悲劇まで一気に突き進ませるためだと読んだことがあります(真偽不明)。それを思い出しました。
 現実問題として、さすがに中学生に手を出す教師もいず、それ以前に「カワイソウないじめられっ子でも、マジメな優等生」であれ「生徒」という十把一絡げから抜け出すのは容易ではないわけです。抜け出すための方法が、とんでもないのは中学生らしい幼さが現れているような気がします。
 冒頭の「ペットボトルに詰めたガソリンは、不思議なほどきれいだった。透き通った液体の向こう、ゆらゆらと揺れる景色をしばし眺める。」の部分は、彼女自信の不安定さが感じられる良い文章だと思いました(すみません。なんか偉そうになりました)。
C07 深夜ドラマは30分ものに限る
 タイトルに賛成! あまり見ませんが、「トリック」は最初短かったような気がします。
 さて、ドラマの中に入ったのにドラマはあくまでもドラマでフィクション設定というのが珍しい。
「だが彼女の胸には短剣が突き刺さ……あっ、この人普通に息してる。」
 えっ!? 息してるの?ってツッコミましたから。
 ニート探偵って珍しくはないんですが(古くは都筑道夫の「物部太郎」がいますよね。すばらしいニートっぷりと骨太本格ミステリが楽しめるので、ご興味のある方はぜひご一読を)、ひきこもっている理由が「事件を引き寄せてしまう体質」というのは初めてでしたし、大いに納得しました。本当に外にでるなよって思ってますから、コナンくん。
 きちんとミステリしてて、笑えて、とても楽しかったです。
C08 火刑に処す
 恋心って難しい。淡くても燃え盛っていても恋情は抑えられないものだと思います。
 南雲さんが刻子さんから向けられた気持ちを受け入れられなくとも、真っ正面に向かい合っているだけで彼の人柄が解ります。外見だけではなく、誠実で素晴らしい人柄なんでしょうね。
「ですがね、南雲どの。
 火に火をくべたところで、消えるなんてことが、あるのでしょうかね?」
と、最後に語りかけていますが、「思い出話をいたしましょう。」と始まったこの恋の物語は思い出に昇華されたのかどうか……本当に恋心って難しい。
C09 真夏のブーメラン
 これが噂のパンツブロックの元凶!! というか「バーロー」が多過ぎです。
 青春です。幼馴染とか超萌えます。ましてや男二人で女一人を奪い合うとか、なにそれ美味しいってものです。
 タイトルはブーメランパンツだけではなく、内容にもちゃんと何重にも掛けてあるんですね。現在から過去から現在に戻る時系列もそうだし、三人の関係もブーメラン型(三角形の底辺がない状態。コータ→みずき←大地)です。花火に誘った時の反応を見るとコータの方が一歩リードですかね? 
C10 あなたの健康を損なうおそれがあります
 最初っから脱線します。獺祭は職人(杜氏)に頼らずに、倉を工場化し工程を徹底的にマニュアル化して一般社員(若干云い過ぎ)が作れるようにした日本酒です。美味しいらしいですね、飲んだことないんですけど。
 さて、宮田さん。ブラックな会社からメン・イン・ブラックな会社に転職おめでとうございます(二人組って狙ってましたよね?)。ブラック会社から逃れられるし、警察と保険屋さんからの追求も逃げられるなら、少しぐらい怪しくても転職しますよね。ああ、羨ましい(現在、無職です)。
「鈴木は片手で首を掴んだ一升瓶を眼前に持ち上げて(略)一升瓶の口から生えた日本刀」
 うら若き女性が一升瓶抱えてる戦闘シーンもなかなかないですが、一升瓶の口かた生えた日本刀といはビジュアル的にキてます。そもそも一升瓶で獺祭持ってくるだけでも規格外ですよね。いいキャラしてます。主役の宮田さんを食ってますよ。
 最後の一文が、妖怪ハンターでも正義の味方でもなくサラリーマンだというのが現れてて良いですね。
C11 この気持ちにつける名前をまだ知らない
 百合の花提灯が文字としても、情景としても奇麗で素敵なセンスで羨ましい限りです。あとですね、「ささやくよりも大きく、つぶやくよりも小さな声」という文章も好きです。Kindleにハイライトつけましたから!
 少し気難しいそうな主人と忠義のメイドさんの関係は読んでて微笑ましくも、少し切ない印象を持ちました。二人の出会いの経緯とティカの言葉は良い話でもあるのですが、エミールの気持ちががいつか来る別れに向かってるからかもしれません。
 「人間の街に偶然、足を運んでからもう6年も経つのかと思った。」と最初の方にあるので、エミールは人間ではなく、ティカとは同じように時を刻めないためにいつか別離を迎えてしまうのでしょうか。そう思うと余計切なくなります。
C12 緋蓮
 作者様に先に土下座します。この手の話はジャンル的に馴染まないので、より検討外れなことを云っているかと思います。魁にツッコミまくってます。作者様のせいではなく、すべて私の好き嫌いが暴走している感想なので、お気を悪くされたら申し訳ございません。

 なんと云いますか、魁、そこまで紫樹を想ってるなら親父どうにかして二番目の嫁もらうなよ! 二人はラブラブで良いかもしれないけど、香さんは年端のいかない娘で十五歳だよ! 可哀想じゃないか!
 脳内補完でアラブっぽい世界を想定しました。側女や妾ではなく「もう一人の妻」と表現してるので。ということは、この世界はどういう婚姻制度かは判りませんが、妻間は建前上はたぶん平等(実際のところ最初の妻が先輩なので立てられるけれど、子どもが生まれたらパワーバランスが崩れる)。つまり夫も平等に接しければならないのではないでしょうか? そうじゃなくても結婚したばかりの香さんを放っておいて紫樹さんに掛っきりになりそうなラストシーンを読むと、お幸せにと思う反面、蚊帳の外の香さんを哀れで泣けてくるのです。

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