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オリジナル推理小説サイト「花布」の更新状況及び管理人の独り言。ぐだぐだです。
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Dブロックの感想です。これ書くだけで何日かかってるんだろうか?
お手数ですが、先にちらのエントリーをお読みください →注意書き

お読みになりましたね? では「つづきはこちら」からどうそ。

D01 俺の妻の手作り弁当がまずいわけがない
 タイトルに脱帽! このタイトルに惹かれてDブロックから読み始めました。
 確かに「不味い」わけではない。あくまで「不味そう」なお弁当の話。
 栄養を考えたら愛情弁当が真っ黒になってしまったという特異な(世間体を気にしない我が道を行く)性格の妻の表現としてブシ(武士/侍の妻でなくあれは侍そのまま)子さんはあざといなぁと思いました。ここまで突き抜けたキャラなら違和感なく受け入れられますよ。
 気になった部分が一つ。『先輩の奥さん、あいさつしても無表情って言ってましたぜ。こけし人形みたいでにこりともしないって』というセリフですが、最初は妙子さんが社宅の奥さんズに挨拶されたのに返さない失礼な奴に読めて「俺の妙子さんが挨拶しないわけがない」って思いました。礼儀を失するタイプには読めなかったので……。読み直して気が付いんたんですが、妙子さんが挨拶する時に無表情なだけなんですよね?
 最後に、妙子さんはツンデレではない。絶対に「素直クール」だと思います!


D02 マジで恋するうんたらかんたら
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる! この作者はきっと同世代!」
 あの頃の広末はかわいかった。広末涼子ポケベルはじめる――いや、違う。
 この話は「勢い命の下ネタ+α」だと思うので、あまり重箱の隅を突っつくのは野暮なので簡単に。
 最初は三人称かと思って読んでいたので『思わず声をかけてしまった』の部分で、「あれ?」とひっかかってしまい勢いが殺がれました。視点の人物はおそらく友人なのだろうが、高貴と視点の人物との関係が解りづらいのが残念。
 全体に散りばめられたネタは(伏せ字も含め)解ったけれど、読者を選ぶ話であることは間違いない。とても冒険したなぁ、と純粋に感心しました。


D03 荒野のニンジン
 全編オレンジ色の洪水。荒野に佇む巨大なニンジンがキャッチーですよね。読者の興味を惹きつけることに成功してます。勝ったも同然だと思います(何をだ?)。
 ファンタジーなのに漂うハードボイルド感。幻覚に捕らわれて弱りながらもニンジンの正体に気付いたダリュースが、いくら想い人とはいえレフィカの幻覚に騙されてしまうのは都合が良すぎる気がしました。それだけ彼女を大事に想っているということなのかな~とも取れますが。最後の一文のため最後の方まで「旅人」で通したんでしょうか? ベタだけど最後の一文が好きです。
 
 どうでも良いことですが、一字下げない箇所があるのは、どうしてでしょうか? とても気になります。バラバラなのでなにか意味があるのか考えてしまいました(ミステリ好きが高じた病気だ)。これがフェイクというものでしょうか?


D04 彩色展覧会
 個人的にはこういう文章が好きです。童話風というより少年探偵団を思い出しました。丁寧な会話文が地の文と合わさって耽美な雰囲気さえ醸し出されているような気が……。それは作者の意図するところかどうか解りませんが。
 内容からすると「水晶」や「紅玉」や「林檎」など漢字が難しいように思えましたが、文章としては違和感ないという――不思議な関係ですね。


D05 キャンバス
 ビバ! 百合! 女の子大好き!
 とても危うい三人の関係ですね。設定が素敵。ミツルの報われなさが良いです。ハルと美咲の関係が主でミツルの想いはたぶんスパイス程度ですよね。だから三角関係にはなりえない非常にバランスの悪い関係で、事件が起きそうな不安定さが伝わってきます。最初は三人称なのに途中からハルの一人称になるのは効果を狙ってるんですよね?
 
 ※ここからは私の趣味の問題なので本当に「こういう人もいるのか~」程度で流してください。
 『歪んだ関係。歪んだ愛情』と作中で書かれてて、その象徴として美咲の絵(空)があるのだと理解しました。『歪んだ』と明示されているので、もっとドロドロと粘度が高い文章や表現でも良いような気がします。全体的に淡々としているような気がしました(それが効果を狙ったことなら的外れですみません)。ハルから見た美咲の美しさなどが過剰に粘着質に書かれていたら、ハルの異常性も高まって私好みの話になるなぁと。


D06 透明な口付け
 非常に難解な作品。主題は何だろうと悩みました。なので的外れ度が当社比150%UPです。
 おそらくタイトル通りの最後のシーンが書きたかったのではないかと推測しました。美少年の幽霊と去り際の口付け――これだけでご飯三杯いけます。おまけに元主人と使用人の関係なんて、萌え要素満載です。
 屋敷の内と外の対比や椿とあじさいに託して関係と時間の移り変わりを表現したりと、文章や表現が作品の雰囲気にぴったりと合ってて良かったです。それだけに『涼しげな名前の老人が~』のくだりが気になって、読むのが中断してしまいました。ゆかり様に縁がある人(祖父とか?)ですか? そもそも病弱なゆかり様は死因はなんだろう? 佐江子が使えていた家が屋敷を手放した時期と亡くなった時期がほぼ同じだから、なにか意味がある? 当主が『涼しげな名前の老人』で処刑されて一家は離散。その騒動中に亡くなるゆかり様――電波ゆんゆん妄想しまくりです……。それでだけ萌え要素満載なんですよね(大事なことなので二度云いました)。
 謎は謎のままで、すべて解き明かさなくても良いと思うんですが、私みたいに変な所に拘泥する人間もいるということで……。


D07 色彩の守護者
 ※ファンタジーに馴染みがないので文法が解らないので独断と偏見により磨きがかかってます。
 面白かったです! 一気に読みました。
 この制限文字数でこれだけの世界観を創ることができれば何も怖いものがないような気がします。
 最初に戦闘シーンで「おおっ!」と物語に引きずり込んで、『闇の眷属』『守護者』の説明に移り、自然と主人公の立ち位置まで解るようになっています。もう、上手いな~! もう、もう! って地団駄践みまくりですよ。登場人物も最小限に抑えられていて枚数の制限を考えてるな~と感心してしまいました。
 作者様、ミステリ書きませんか? 間違いなく、私より面白いと思います。っていうか、私が読んでみたい。もし、すでに書かれていたらすみません。 


D08 ばら姫と枯れた魔女
 今、気付いた! これタイトルでネタばれだ! あくまでも「枯れた魔女」なんですよね。「色を失わない薬」があれば枯れないわけですから。タイトルって大事ですね。「ばら姫と雪の谷の魔女」では読後の印象が変わってしまいます。
  一部で取り沙汰された「矢車菊腹黒説」が気になりました。時代劇好きからすると忠臣というと腹切って諫めるシーンが思い描かれるのでそれに比べると忠義者の侍女度が下がりますが、この姫は矢車菊が死んでも改心しないと思うので(最後まで矢車菊や他の侍従や両親を思いやるシーン皆無って何気にすごいと思います)、姫思いの侍女が幸せになって良かったなぁと思いました。よって「矢車菊腹黒説」は不支持で。
 よく考えると太陽の奥様と月のだんな様の夫婦喧嘩のせいなんですよね……。迷惑な夫婦だ。
 

D09 サイレント・カラー
 壮大な語られていないバックボーンがある話。
 逆に云うと6000字では語れない話ではないかと。祖母の昔話が駆け足で一読しただけだと私のCPU(たぶんIntel4ぐらい)では処理できませんでした。文章はこ慣れていて着想も素晴らしいと思うのだけど、アウトプットできてないのが惜しい。「詐欺師と祖母と祖父」や「祖母と故郷」を詳しく読みたい! と思いますが、これは作者の意図するところではないと思います。一つ一つのエピソードが興味を惹く内容なために、肝心の主題がボケてしまってます。
 「祖母と孫との交流の中で、祖母の昔話がまるで映画のように鮮やかに孫の中で再生する」という大筋の外に聴覚障害のある孫・外国から農村に嫁いだ祖母という情報が付加されて、更に意味深の「色即是空」。もうお腹いっぱいです。この字数制限ならもう少し削っても良いような気がします。文字数の問題だと思うだけに残念。


D10 祈りをあなたに
 ルゥリンとお幸せに! と読了後の感想です。おそらく色々障害があると思いますが、二人の絆が深まるから大丈夫! 
 デキーのイーライへの想いが少女らしくかわいかったです(女の子大好き)。読みながら頬が緩みました。
 デキーの少女というよりも子どもっぽい行動(『意味もなく石を太陽に掲げ、くるくると回り、即興の歌を口ずさんで跳ね踊った』など)から物語の終盤でルゥリンに見せてた仕草(『駻馬のごとく暴れだした心臓を鎮めたく、胸に強く拳を押し当てルゥリンを見上げた』など)が対照的で「恋に憧れる少女」から「少女の恋」に変化していたのに(上手く表現できないのですがイーライへの想いは年上のお兄さんに対する憧れの延長で、たまたまそのポジションにイーライがいたという感じ)キュンとしました。


D11 My colors
 きっと美佳は一方的な婚約解消の慰謝料をもらって(「別の人と結婚を考え始めた」は慰謝料請求されちゃいますよ、翔)海外に飛び出して幸せを掴んですね。行動力あるな~。
 こんな男は万死に値する。別れて正解と思う反面、翔に感謝する美佳には感情移入できませんでした。美佳にとっては今のダーリンに出逢えたきっかけとコンプレックス解消になったので感謝してるだと理解はできますが……。ここは恋愛観の問題なんでしょうね。私にはない感覚ですが、色々と考えさせられる話でした。


D12 Redbook/Bluewitch
 なんとなくミーナ隊長を思い出した私は萌えヲタ丸出しで恥ずかしい(でも書く)。あと青い薔薇というと中井英夫を(以下略)。 
 全体的に漂う閉塞感がストーリーに合ってるなぁと思いました。

 ※ここからは私の趣味の問題なので本当に「こういう人もいるのか~」程度で流してください。
 青い薔薇は綺麗だけれど退廃的な印象ですし、そこに薬物汚染と人類滅亡へのカウントダウンをBGMにして女性軍人の一人語り。そしてヒロインには亡くなった恋人がいた、と。
 素敵設定満載なんですが、どうしても萌えられない。ヒロインがふわふわしているような、自分がないというか、捨て鉢になっているんだと思いますが『ドラゴンキラーになった男が、蒼の魔女を手に入れるのだと。正直、馬鹿馬鹿しいと想ったが、それはそれでいいと想った。最初の彼がいないのなら、誰だって同じことだろう』と、この心境に至るまで状況証拠がいっぱいあるけど、自白はまだ引き出せてないような感じを受けました。
 『そもそも私に取って、記憶の欠落は珍しいことではない。軍人として徴兵される以前の記憶が、私にはまったく無いのだから』とヒロインがさらっと語ってますが、そこもっと詳しく! と読んでて思いました。最初の戦闘シーンは格好良かったけれど、後に続くヒロインの過去話にそれほど必要だったのかどうかというと、私はさっくり削って交戦後から始まっても良かったと思いました。限られた枚数でのお話なので、どれを生かすかというのは趣味の問題になってしまうんで、「こういう人もいるのか~」で流してください。

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